足を組むのは「楽」でしょうか?

ふと気づくと足を組んでいた、足を組まないと落ち着かなくなり組んでしまう、などの経験を持つ方は多いと思います。

かつて私もパソコンに向かうときなどは足を組む方が「楽」で、また集中できるように思っていました。

たとえ、このように「楽」に思えても足を組むと、身体の歪みは確実に強くなります。それは身体に諸症状を引き起こしたり、増強させてしまうリスクがあります。

●足を組むと「楽」に感じるのははなぜ?

たいていの場合、上にする足は、右か左か一方に決まっています。

あぐらをかいたとき、より開きやすい足を上に組む場合が多く見られます。

また、身体の歪みがあり、座位を続けていると居心地が悪くなるため、それを修正しようとして、足を組み、身体を楽にしようとする場合もあります。

いずれの場合にしても、そのときは楽に感じても、足を組むと身体はより歪むことになります。

●足を組むと骨盤、背骨はどうなるか? 

・骨盤が回旋する
左足を右足にかけて足を組んだ場合、骨盤は右方向へ回旋します。

・背骨が弯曲する
左足を右足にかけて足を組んだ場合、おしりの右側に重心が移ります。それによって骨盤・体幹は右に傾きます。また、私たちの体には頭をまっすぐにしようという反射があるため、右に傾いた体幹を、まっすぐに立て直そうとします。これによって、背骨は逆Cの字(右凸の弯曲)を強いられることになります。

・背中が丸くなる
足を組むと骨盤は後ろに傾き、背中は丸くなります。そこから無理に腰を伸ばそうとすると、特に腰椎に負担がかかります。

●骨盤、背骨が歪むとなぜ悪いのか?

背骨は骨盤に対して垂直につながっています。骨盤、背骨が歪むと、この連結部位周辺、つまり腰椎の4、5番(L4、L5)あたりに一番負担がかかる、と言われています。

これは腰痛の原因になるだけではなく、下肢にも影響を及ぼします。

つまり、L4、L5番からは下肢の筋肉や皮膚感覚などをコントロールする神経が出ているため、それを圧迫したり、引っ張ったりする可能性がでてくるのです。

それにより、下肢に痛みやしびれが出たり、足の動きがスムーズにいかなくなったり、疲れやすかったり・・・という諸症状が出てもおかしくないのです。

また、背中が丸くなることで、背中の筋肉、神経、血管をずっと引っ張りますので、腰〜背中、首、肩のコリを引き起こす可能性もあるのです。

●左右に足を組めば、問題はないか?

「左右交互に組んでいれば、大丈夫ですか?」と質問されることがあります。

左右交互に組み替えることで、身体の歪みを相殺できるような気がしますが、それは違います。

左右でそれぞれ身体を歪めることで、より複雑な身体の歪みを作り出すともいえるのです。

足は組まない方がいいことに変わりはありません。

●身体を歪めない生活を

当院では、姿勢や動作を含め、その方の身体の状態を評価して、症状を出している原因を見つけます。そして、その原因を根本から改善しようとする施術方法です。

また、身体を根本から良くしていくには、日常生活の中で身体を歪めるような動作、つまり足を組む、横座りをする・・・などをしないようにすることも、とても大事なのです。