リウマチからの贈り物(9) 3カ所目、Cリウマチ内科受診(その1)

3カ所目、Cリウマチ内科受診(その1)  2020年7月初旬

このブログは、関節リウマチのような「治らない」とされている病気の方々に何かお役に立てればと思い書いています。また、そうでない方にとっても、病気のとらえ方、医療との付き合い方、代替療法の取り入れ方……など、何かヒントになればと思います。

私は関節リウマチと診断されても、できれば薬を使わすに治したいと思いました。そのきっかけとなった、私の体験として、7回では「子宮筋腫が小さくなったこと」、8回では「憩室炎の症状が全くなくなったこと」について書きました。

今回はCリウマチ内科を受診した話です。

受診前から、行くのがとても億劫でした。それは、100パーセント服薬を勧められるからです。それにどう対応したらいいのか……と。私はそれ以外の方法で治したいと思っていました。

それ以外の方法、それは主に食事療法です。

これは全くの偶然なのですが、私がリウマチと診断される数カ月ほど前に「不食の時代~愛と慈悲の少食~」(白鳥哲監督)という映画をネットで観ました。これは難病、脊髄小脳変性症と診断された女性(森美智代さん)が甲田光雄医師の元で徹底した「玄米菜食」をして、この病気を完治させた実話を元にした映画です。

この病気は一般的には治らない進行性の病気です。私がリウマチになるなど、思いもよらない時期に、この映画になぜかとても興味をもち、甲田光雄医師や森美智代さんの書籍をよく読んでいました。

ひょっとしたら、自分の将来の姿を無意識に予想していたのかもしれないと、最近になって思います。

甲田先生の書籍には、「玄米菜食」により、がん、進行筋委縮症、進行性筋ジストロフィ症、ベーチェット病、多発性硬化症、関節リウマチ……などの、「治らない」とされている病気が完治、改善したケースがたくさん載っていました。

食事療法がここまで効果があることに、驚くとともに、「もし、私が難病になったら、玄米菜食をしてみよう」と漠然と思っていました。

そして、いざ、リウマチと診断されてから、これらの書籍を参考に玄米菜食を少しずつ取り入れていました。

リウマチと診断され、不安だらけだった私の唯一の希望は、食事療法で治した医師がいた(甲田先生はすでに他界されています)、治った患者さんがたくさんいた、ということでした。薬に頼らなくてもいけるかもしれないという、望みにつながっていました。

前置きが長くなりましたが、このような背景の中で、私はC医師を受診しました。

(B整形外科での)血液検査・レントゲン・エコー検査結果を見た後の、C先生と私の会話です。

医師:「血液検査からはリウマチの可能性は高いですね。リウマチになると、骨粗しょう症も進行が速いですよ。唾液がでにくい病気にもなっている可能性もあります………」

早口にリウマチに伴う様々な疾患の説明が続きました。

私はすでにどんどん気分が落ち込んでいきました。

医師:「それで痛みは?」

私:「右手の人差し指のMP関節(指のつけ根)が少し赤くなってますが、痛みはほどんどありません」

医師:「痛みがない……?」

医師は右手を診察台の上に乗せるように言って、指の状態を見てから言いました。

医師:「へえ~痛くないの、こうやっても?」

と、台の上に置いていた私の右手人差し指を、突然上から手で強く圧迫して診察台に押し付けました。

私:「痛っ!」

びっくりしました。急に何するの!……ひどいやり方するな、そんなに強く押さえたら、痛くない指も痛みは出る!と思いました。

医師:「ほら、痛むでしょ、だってここ腫れてるもんね

勝ち誇ったかのようにそう言いました。さらに、

医師:「どうして前の先生では異常なし、だったのかな…… うちでは普通、次の受診で手と足の指をすべてエコー検査するんだけど、今日は特別にエコーでこの関節内を見てみるね」

と、私の動揺など気にもかけず、右手の人差し指のMP関節にジェルを塗り、エコー検査を始めました。

医師:「ほら見て、これが炎症、しっかりあるじゃないですか。正常では関節内に血流は見えないけど、この関節では見えてますよ。痛みますよ。これから」

エコー検査で血流が見えている、と言われても、私にはよく分かりませんでした。

「リウマチ」という根拠を初診で見つけておきたいという、医師の「意志」と「焦り」のようなものを感じました。

(補足)リウマチの診断基準は関節の腫脹や痛みが持続するという項目も入っているため、私のように「痛みがない」というと「確定診断」がしにくくなります。そうすると、その後の治療を進めにくいと医師は思ったのでしょう。これは、自宅に帰って医師が言ったこと、したことを振り返ったときに気付きました。

いたたまれない気持ちになってきました。ここでリウマチと診断されても治療を任せることができるのか……と。

データ、検査結果だけで共感のない世界でした。「リウマチ患者」というレッテルを貼られて、ベルトコンベアに乗せられていくような嫌な気持ちになりました。

混乱し、とりあえずこう聞きました。

私:「そうですか………今後、痛みが出たら、温めるのと、冷やすのとどちらがいいですか?

医師:「そんなことはね、楽になるならどちらでもやってください。何しても治らないですけどね、そういうのって医学的根拠はないんですよ。温める、冷やす……どうやっても症状と関係ありません。あ、それと、何食べてもいいですよ。食べ物と症状なんて全く関係ないですから」

私:「そうなんですか……。あの…… 今後のことですが、私はできるなら薬は使いたくないのですが……ステロイドは副作用もありますし」

この状況で言っても仕方ないと思いつつ、思い切って言ってみました。

医師:「えっ?薬を使わない?あなた、何言ってるの…… え~と、仕事何?(問診表をみて)理学療法士か。あのね、あなたのように中途半端な医学的な知識がある人が一番困るんだよ。あなたが学校で勉強したときとは、リウマチの治療は格段に進歩している。そんなことを言う前に、勉強しなさい。これよく読んでから来てください」

とイライラした様子で、リウマチ薬のパンフレットを数冊私に手渡しました。

こういう反応は想定内だとは思いつつ…… やはりリウマチには今までの私のやり方は通用しないんだな、という悲しさがこみ上げてきました。また、服薬を拒否することで医師との関係性はとても悪くなるのだろうなと。そう思うとこれからどうしたらいいだろうか、と暗澹たる気持ちでした。

一方、医師が言ったように、私はリウマチの現在の治療についてほどんど知らないのも事実でした。勉強不足ではあったので、帰ってパンフレットを読んだり、ネットで薬のことを調べたりしました。

かつてのリウマチの治療は痛みを抑えるためにステロイドを使うくらいしか方法がなかったのですが、メトトレキサートなどの薬の進歩によって、骨破壊などが防げるようになったという経過が書いてありました。医師が言ったように、リウマチの服薬による治療は格段に進歩しているのは事実でした。

そんな状況にありながら、「薬は使いたくない」という私の発言は、現代の医学では非常識だと医師が感じるのももっともです。

でも、このことを知った上でも、私は甲田医師の元で多くの難病患者さんが治っていった事実からも、食事療法など薬以外の治療法を試したいと思いました。

とはいってもこの医師には、「玄米菜食」の話など通用するはずはありません。

診断時の発言や行動から、この医師には診てもらいたくないと思っていましたが、この時は、別の医師を探すという選択肢を思い浮かべる余裕もなく、次回の予約を取り帰宅しました。

この日の医師のやり方、発言で私はやはりひどく落ち込んでいました。

次回に続きます。

おくむら整体院  奥村多恵子