リウマチからの贈り物10 3カ所目、Cリウマチ内科受診(その2)

3カ所目、Cリウマチ内科受診(その2)   2020年7月中旬

このブログは、関節リウマチのような「治らない」とされている病気の方々に何かお役に立てればと思い書いています。また、そうでない方にとっても、病気のとらえ方、医療との付き合い方、代替療法の取り入れ方……など、何かヒントになればと思います。

今回はCリウマチ内科の2回目の受診の話です。

初診の医師の発言や行動から、この医師には診てもらいたくないと思いながらも、この時は、別の医師を探すという余裕がありませんでした。

言われるがまま、数日後に仕事の合間にエコー検査のため受診しました。

この頃、痛みはまだ少なく、仕事ができるレベルでした。最初のA整形外科で「腫瘍ではないか」と言われた、右足の親指の裏側はその当時よりも腫れていましたが、痛みも少なく気になるほどではありませんでした。

以下は、C医師と私の会話です。

医師:「今日は手足の指のすべての関節をエコーで検査しますね」

私は診察ベッドに横になりました。

医師:「手の指には炎症はありませんね。前回見た右手人差し指はどうかな…… 炎症ないですね…… 」

前回、炎症がある、と言っていた右手の人差し指のMP関節でしたが、今日は炎症がない、とのこと。日によって変わるのかな、と思いました。

医師:「痛みが出ている関節はある?」

私:「痛みはほとんどないです。右足の親指の裏が腫れていて、腫瘍じゃないかと言われたことがあります」

医師:「右親指の裏……ああ、ここね…… (エコーで見て)お、わっ、ひでえ炎症やね!」

私は上向きで寝ているため、関節内が映されている画面も見えません。炎症が「ひでえ」と言われても、自覚症状は少なく「そうでもないと思うけどな…… 」と心の中で思いました。先生がそう思いたいのでは…… と、思わずため息がでました。

医師:「じゃあ、今度は左足を診よう、左足の親指にも同じようなのがあったらいいんだけどな。 (エコーでみて)ああ、左にはないな…… まあ、リウマチの診断は左右対称(*)でなくてもできるけどね」

(*)リウマチの症状は左右対称に起きることが多いと言われています。

左足の親指にも右と同様の症状が出ていれば、診断しやすい患者になったのでしょう。

医師は、私の今の状態を把握するというよりも、リウマチと確定診断するために「都合のいい」症状を期待しているようです。患者の前で言う言葉でしょうか。

このとき、患者の立場はとても弱いのだとしみじみ、思いました。

何を言われても黙っているしかありませんでした。

医師:「リウマチは心臓、肺も悪くなりやすいから、今日は心電図、胸のレントゲンをとっておきます。あと、数カ月後でいいから肺のCTもとってきてもらうからね。○○病院紹介することになるからね。必ず行ってね」

私:「はい……」

当然、必要な検査もあるのでしょうが、医師の今までの発言から、それよりもむしろ、今の私の状態を正しく診ることの方が大事なのではと思いました。

それに応じて、その検査が必要な理由を説明してほしいと。リウマチ患者といっても、皆それぞれ基礎疾患や生活習慣など置かれている状況は違います。いろいろなケースがあるということが、なおざりにされている印象を受けました。

こうやって、医療に「お任せ」していると、たくさんの検査を受けざるを得ないケースは多いでしょう。

医師:「今日から、免疫抑制剤を出します。メトトレキサートね。副作用はこのパンフみて、たくさんあるからね」

私:「薬、副作用が怖いですが」

医師:「えっ? また、なに言ってる、薬は毒なんです。この薬で死者も出てる、でも効果が認められるから、こうやって使ってるんだ。とにかく飲んで

この説明は、どうなのでしょうか。もう少し言い方があるのではないでしょうか。

こうやって、自分の気持ちはおいてけぼりで、どんどん患者というレールに乗せられていきます。自分が無力でみじめに思え、心が沈んでいきました。主体性をはぎとられて、どうしようもなく嫌な感じがしました。

医師:「薬を飲む前と飲んだ後、どう変わるか、成績表のようなものを一緒につけていきすね。受診時に毎回聞いて、パソコンに入力していきます。今、症状が出ている関節は少ないけど、痛みのレベルが100が最高としたら、どの程度?」

私:「右手親指は2くらい、右足親指は1くらいです」

医師:「…… えっ? それじゃあ、あなたは『寛解』(*)になっちゃうでしょ

(*)寛解とは、病気の症状が一時的に軽くなったり消えたりした状態をさします。完全には治らないという意味で、「完治」と区別して用いられます。リウマチは一般的に「完治」はしない、よくて「寛解」まで、という言い方をします。

私:「えっ?その程度です。だってあまり痛くないですから…… 」

医師:「あのね、今の状態から薬を飲んでどのくらい症状が治まっていくか、数字が下がるかをみたいんですよ、分かりますか? じゃあ100のうちどのくらいかな?」

私:「…… なら、右手親指は10、右足親指は5…… 」

あからさまな誘導にうんざりして、医師の期待に合わせました。

早く仕事に戻りたい気持ちで一杯でした。

医師:「うん、その位だね、次回はこれがどう変わるか、だね」

医師は私の言った数値を入力しました。

医療に関わることが長らくなかったため、余計に疑問に思ったのかもしれません。

でも、2回の受診でもう限界でした。私を診ているのではなく、リウマチの数値を診ているだけ、しかも、真実ではない数値を作ってまで。医師が望む「患者像」に無理やり合わそうとしている様子がよく分かりました。

薬は翌週から飲むことになっていましたが、ここで薬を飲んでしまったら、しばらくここに来なければならなくなる…… 

すでに私はC医師と信頼関係が持てるとは、思えませんでした。そのため、薬は飲まず別の医療機関を探してみようと決心したのです。

通える範囲内のリウマチ専門医を片っ端から検索しました。

そこで、他のリウマチ内科とは全く違う文言が書いてあるHPを見つけたのです。それがDリウマチ内科でした。

次回は、Dリウマチ内科について書きたいと思います。

おくむら整体院  奥村多恵子