症例報告:「アデノイド肥大」で呼吸しづらく、いびきが強かった女児への施術

アデノイドとは、鼻からのどに移行する部分にあるリンパ組織です。

これが肥大すると鼻の空気の通り道が狭くなるため口呼吸となり、呼吸しづらさ、鼻づまり、鼻声、いびきなどの症状が起きやすくなります。

合併症がある場合は切除術となることがありますが、軽症では経過観察となります。

この場合、医療的処置はなく、患者さんは症状を我慢するしかありません。

今回は「アデノイド肥大」で経過観察中の、7歳の女児Aさんの症例を報告します。

整体で身体を整えることで症状は著明に改善されました。

*患者さん、保護者の方のご了解を得てご紹介させて頂きます。

「アデノイド肥大」とは

アデノイドは、上図で示した部分です。

肥大の原因ははっきりとは分かっていません。

鼻の空気の通り道が狭くなるため、鼻呼吸がしにくく口呼吸となります。

そのため、いびきが強くなったり、眠りが浅くなったりします。

また、口呼吸により、感染症にかかりやすくなります。

●症例紹介

Aさんは3歳頃、「アデノイド肥大」と診断。

「手術する程ではない」と経過観察になりました。

お母さんから伺った主訴は、鼻づまり、のどに症状がでやすい、いびきが強い、眠りが浅い、姿勢が悪いということでした。

Aさんは、やや顎が上がった状態で口呼吸をしていました。

鼻が詰まったビービーというような呼吸音を伴いました。

施術経過

初回の立位姿勢では背中~腰が丸くなっています。

6回目の施術後には、いく分腰が前に反り、背筋が伸びているのが分かります。

初回の万歳の姿勢では両腕が挙がりにくく、腕の形も不揃いです。

6回目施術後には、両腕が揃ってより上方に挙がっています。

施術4回目には、お母さんが「いびき、鼻詰まりがましになってきました」と話して下さいました。

施術6回目には、顎が上がった口呼吸もみられず、呼吸音も聞かれなくなりました。

これは、鼻呼吸が行えているということです。

●姿勢の変化が意味すること

背筋が伸びたのも、万歳がより挙がったのも、腰回りの筋肉が正常に働き、腰が前に反った「本来の正しい形」になったことを意味しています。

背筋を伸ばす筋肉も、万歳で働く筋肉も腰に付くものがあります。

このため腰が「本来の正しい形」になればこれらの筋肉も正常に働き、背筋をのばしやすく、また万歳もしやすくなるのです。

症状が改善されたのは?

アデノイド肥大で諸症状が起きる過程を簡略化して書くと、次のようになります。

[アデノイド肥大 ➡ 口呼吸 ➡ のどの乾燥・異物の侵入 ➡ のど(アデノイドを含む)の炎症 ➡ 諸症状] 

口呼吸では口が開いて顎が上がり、首がのけぞった状態になります。

それによって腰から背中は丸くなります。

Aさんは「アデノイド肥大」と診断された頃から、このような姿勢にならざるを得なかったと思われます。

腰が「本来の正しい形」になったことで、顎は引かれ頭は自然と肩の上にのってきました。

これにより鼻の空気の通り道が確保され、「鼻呼吸」がしやすくなったのです。

「鼻呼吸」がしやすくなったことで、

[のどの乾燥・異物の侵入 ➡ のど(アデノイドを含む)の炎症]

の過程が止まり、諸症状が改善されたのです。

つまり「口呼吸」にならざるを得なかった姿勢を、筋肉の調整で「本来の正しい形」に戻したことで、「アデノイド肥大」と、それによって引き起こされていた諸症状が改善された、ということです。

経過観察と言われ症状を我慢している方、もう治らないと諦めている方、是非ご相談ください。