鼻うがい 〜ラッパ口のコップを使うと楽にできます〜
その他

通常のうがいではのどまでしか洗うことはできません。「鼻うがい」は鼻の奥(鼻腔)まですっきりと洗い流すことができます。
でも「鼻うがい」は難しそう、痛そう、むせこみそう・・・と思う方が多いようです。
写真のような「ラッパ口のコップ」を使うことで、より楽に、安全に「鼻うがい」ができます。
慣れるとより短時間できるようになり、私にとって健康維持に欠かせない習慣になっています。是非お試しください。
●用意するもの

・お湯(人肌程度の温度):200㏄
・塩 :2g(お湯の1%)
・ラッパ口のコップ :写真のような形のコップ
(紅茶カップ等でも大丈夫です)

*必ず人肌程度の温度のお湯を使ってください。お水では鼻が「嫌がって」入り辛くなります。
*1%の塩水にするのは、人間の体液の濃度がほぼその濃度だからです。これ以上濃くても、薄くても鼻が「嫌がって」入り辛くなります。
●方法
1.コップに塩、お湯を入れよく溶かします。
2.左鼻穴を指で押さえてふさぎます。

3.右鼻穴にコップの縁を当て少し上を向きます。
塩水が鼻の穴に流れてきます。

4.鼻穴から塩水をわずかに吸い、口から吐き出します。これを繰り返します。
*ポイント:勢いよく吸うとむせやすくなります。コップが傾くことで自然と流れてくる水の流れに沿って吸います。
5.反対も同様にします。
●ラッパ口のコップを使うのは?
当初、私は次のような普通のコップを使っていました。

その時は左の写真のように、かなり上を向かないと塩水は鼻穴まで流れてきませんでした。右の写真と比べると、上を向く角度の違いが分かると思います。

上を向いた状態で塩水を吸おうとすると、とてもむせやすく「鼻うがい」が苦痛でした。たまたま、洗面所にあったラッパ口のコップを使ってみたところ、格段に、楽にできることに気がつきました。
それは、コップの縁が外に開いているため、そのカーブに鼻穴を合わせると、少し上を向くだけで塩水が鼻穴まで流れてきて、むせるリスクがほとんどなくなるからです。
コップの形だけで?と思われるかもしれませんが、やってみるとその違いが分かると思います。
●まずは、入浴時にするのがお勧めです
鼻うがいでは、水がこぼれやすく服をぬらしがちです。気にしながらすると、体に力が入り塩水をスムーズに吸うことができません。このため、最初はぬれてもいい入浴時にするのがお勧めです。
●鼻うがいの効果
当院の患者さんの中には、副鼻腔炎、花粉症、アレスギー性鼻炎・・・など耳鼻科系の疾患をお持ちの方も多くいらっしゃいます。鼻うがいが習慣になった方はこれらの症状の改善がみられたり、消失されたりと非常に効果が出ています。また、風邪などもひきにくくなります。
新型コロナ感染症の予防にも、役に立つはずです。
●注意
むせやすい方、小児、ご高齢の方は気管に塩水が入るリスクがありますので、ご注意ください。どうしてもコップからは難しい場合は、薬局でうがい薬を鼻に注入する製品や、ポンプ式の鼻うがい器もありますので、ご検討ください。