その腰痛、首・肩こり、膝・踵の痛み・・・原因は「反張膝(はんちょうひざ)」にあるかもしれません

腰痛、首・肩こり、膝・踵の痛み・・・などで来院された方の中には、その症状が「反張膝(はんちょうひざ)」からきている場合があります。
「反張膝」は膝に負担をかけるだけではなく、姿勢に強く影響するため他の部位にも様々な症状を引き起こします。

●反張膝とは

真っ直ぐに立つと膝関節は真っ直ぐか、わずかに曲がった状態で保たれ、後方に反ることはありません。
これがいわゆる正常な膝関節です。しかし、人によっては次のイラストのように膝が後方凸に反りかえった状態になる場合があります。
これが「反張膝」です。
「反張膝」は膝に負担をかけるだけではなく、姿勢に強く影響するため他の部位にも様々な症状を引き起こします。

子どもは関節を構成する組織が柔らかいため、正常でも膝が少し反る傾向があります。
成長とともに、その傾向は少なくなり、軽度屈曲位でも保てるようになります。これによって、膝関節に過度な負担がかからないようになっています。
しかしこの「反張膝」が、成人になっても継続することがあります。
その原因としては、元々関節周囲の組織が柔らかい、膝周りの筋肉の緊張に差がある、ダンスなどで、膝関節を反りかえらせて使っている・・・などが挙げられています。

いずれにしても、本来の膝関節の正常な可動域を超え、関節を反らせることで膝にロックをかけて膝を安定させるため、膝関節には負担が大きくなります。
それによって膝関節だけではなく、姿勢にも強く影響して、腰、首、肩、足部・・・などにも諸症状を引き起こしやすくなります。

●「反張膝」の方がとりやすい姿勢

写真の女性の膝は軽度の「反張膝」です。膝が反って後方に引っ張られるため、上半身が前方に傾きます。その身体をまっすぐに立て直そうとするため、次のような特徴的な姿勢になります。

・腰を反らせる

・顎、胸~下腹部が前方に突き出される

・踵に重心がかかる

「反張膝」の方に現れやすい諸症状

上述した姿勢により、立ち仕事や歩行、運動などで、次のような諸症状が起きやすくなります。

・膝の痛み、腰痛

・ふくらはぎの過度の疲労、むくみ

・踵の皮膚の肥厚、痛み

・腰、背中、肩のコリや痛み

・顎が上がることで、口呼吸になりやすくなり、口腔が乾燥しやすくなる

●反張膝の方への施術

ダンスなどで、膝関節を反りかえらせて使っているような場合、本人の意識で「反張膝」を改善できる場合もあります。
一方、元々関節周囲の組織が柔らかい、膝周りの筋肉の緊張に差がある、などの場合は、「反張膝」そのものを改善することは、難しいと思われます。
しかし「反張膝」であっても、身体を整えることで症状を出さないようにする、出しにくくすることはできるのです。

台所で立ち仕事をする、電車を待つ、信号を待つ・・・など立位を続けると、「反張膝」の傾向はより強くなります。
「反張膝」であることを自覚しないまま使っていると、膝への負担も姿勢への影響も大きくなります。
このため、当院ではまず、ご本人に「反張膝」についてご説明し、その上で、膝への負担を減らしていけるように、日常生活動作での注意点や、セルフエクササイズなどをお伝えします。
さらに施術では、筋肉の調整や呼吸法などで「反張膝」からくる姿勢を、本来の正しい姿勢へと調整していきます。
元々の「反張膝」自体は治せなくても、症状が出ないような、出しにくいような身体にすることは可能なのです。

何をしても治らないとあきらめている方、是非ご相談ください。