リウマチからの贈り物8 憩室炎の症状が食事療法で全くなくなった

このブログは、関節リウマチのような「治らない」とされている病気の方々に何かお役に立てればと思い書いています。また、そうでない方にとっても、病気のとらえ方、医療との付き合い方、代替療法の取り入れ方……など、何かヒントになればと思います。

私は関節リウマチと診断されても、できれば薬を使わすに治したいと思いました。リウマチからは話がそれますが、そのきっかけとなった、私の体験として、前回は「手術適応といわれた子宮筋腫が温熱療法で小さくなった」ことを書きました。

今日は、もう一つの私の体験をお話ししたいと思います。

治らないと言われた、「憩室炎」の症状が食事療法で全くなくなった

子宮筋腫が小さくなったことが転機となり、私は自分の体を自分で守るために、いろいろな代替療法を学んだり、食生活を見直したりしました。その結果、何年も医療と関わることなく服薬なしで健康を保ってきました。

しかし、50代半ば頃から左下腹部に鈍痛が繰り返し起きるようになりました。

特に食生活は問題ないはずだし、とそのままにしていました。すると、1カ月に1回だった痛みが、2回、3回とくるようになり、それも、痛みが強くなってきたのです。私は毎日2回程度排便がありますが、それでも便がつまっている嫌な感じがありました。トイレに行っても、何もでません。

いつもとは違う症状が続くため、久しぶりに内科を受診したところ、問診、触診では原因は分からないとのこと。抗生物質と痛み止めが出されました。

薬を飲んで、痛みを抑えても原因は変わっていません。原因をそのままにしておけば後でもっと悪い状態になるリスクは高まります。

そのため、薬は飲まず、温めたり、食事をできるだけあっさりとしたものにしたり、様子をみましたが、やはり症状は続きました。

このため、専門のクリニックで大腸ファイバー検査を受けました。そこで、「憩室炎(けいしつえん)」と診断され、「上手に付き合うしかない」と言われました。

憩室炎(けいしつえん)は、大腸にできた複数の憩室(袋)に炎症や感染症が起きた状態です。 通常、左下腹部の痛み、圧痛、発熱が典型的な症状です。 先天的なものもありますが、加齢によっても起きることが多いといわれています。

大腸ファイバー検査後の医師と私の会話です。

医師:「左下腹部が痛む原因が分かりましたよ!左下腹部に憩室が多発していました」

医師は、画像を見せてくれました。腸の壁にいくつかの洞穴のようなものが写っていました。

私:「憩室炎になる原因はあるのですか?」

医師:「憩室自体は、年齢とともにできやすいですね。もってる人は多いです。でもそこに便がたまって炎症が起きると痛みます。憩室炎が重い場合は、手術することもありますが、あなたの場合はそういう必要はありません」

私:「憩室はなくならないのですか?」

医師:「はい。憩室はあってもそこに便がたまらなければ問題ありません。便がたまって憩室炎を繰り返す方は、上手に付き合っていくしかないですね」

私:「上手に付き合っていくって?」

医師:「まずは便秘にならないことです。便秘になると憩室に便がたまりやすいですから」

私:「えっ、私は便秘ではありません。日に2回程すっきり出ますが……」

医師:「えっ……あ、そうなんですか…… でもまあとにかく、便秘にならないことですよ……もし、憩室炎になって痛みがでたら、抗生剤と痛み止めを出しますよ」

私:「………」

結局、左下腹部の痛みの原因は分かりましたが、便秘ではない私にとっては、どうしたらいいか分からないままでした。

原因が分かった分、気持ちは楽になりましたが、左下腹部痛と便がつまった不快感は時々やってきました。

炎症なので、温めるのはだめだということが分かりました。でも便秘もない、どうしたらいいのか……と。

症状が出るときに何か共通点はないか、考えました。思い当たることがありました。

  • ホットケーキ、マドレーヌ、クッキーなどのお菓子を食べた後に出やすい
  • ラーメン、焼きそばなどを食べた後に出やすい
  • ビールを飲んだ後に後に出やすい

このため、これらの食べもの、飲み物を一切やめてみました。そうすると、かなり頻度が減ってきましたが、忘れた頃にやはり症状が出ます。

この話を、当院の来院者のMさんに話しました。Mさんは、食事をはじめ様々な面で身体に良いものを調べ、研究し、実践している頼りになる方で、いろいろと教えて頂いていたのです。

Mさんは、今でのいきさつを聞き終えるとすぐにこう言われました。「小麦をやめたらどうですか?グルテンは腸の壁にからみつくんですよ」と

びっくりしました。小麦をやめるということは、パン、うどん、パスタ、ラーメン、ピザ、焼きそば、お好み焼き、餃子、ケーキやクッキー類……すべてやめるということです。

Mさんは極力食べないようにされているそうです。

目からうろこでした。確かに、症状が出るときの共通点は、小麦と関係が深いものばかりでした。

その後、この腹痛を治すためにと、小麦類をできる限り取らないようにしてみました。すると、その後は一切、憩室炎の症状が出なくなったのです。

Mさんの一言で助けられました。

医師が言うように「憩室」はそのままあるはずですが、食事の改善で憩室に便がたまらなくなり、炎症が起きなくなったのだと思います

現代医療の情報だけではなく、あきらめずに他に解決策はないか情報を探していくことの大切さを、このとき改めて感じたのです。

子宮筋腫、憩室炎を自分で治した経験は、私にとって大きいものでした。

関節リウマチと診断されても、できれば薬を使わすに治したいと思ったのも、このような経験があったからです。

追記

グルテンが腸にからまる、という感覚を台所で実感できることに気が付きました。もし、機会があれば、ぜひ観察してみてください。

まだ、うどんを食べていたときの記憶です。生のうどんをゆでそのゆで汁を排水口に流すと、そのゆで汁は排水口のネットをすっとは通過しません。どろどろとネットにからまって、なかなか流れないのです。

でもそば粉の含有率の高いそばをゆでたとき、そのゆで汁はネットにからまず、さっと流れていくのです。

これはまさに、腸内でおきていることの再現なのではないかと、思っています。あっているかどうか、分かりませんが。

次回は、3カ所目の医療機関の話を書きたいと思います。

おくむら整体院  奥村多恵子