リウマチからの贈り物(26) 腸マッサージ

このブログは、関節リウマチのような「治らない」とされている病気の方々に参考になることがあればと、書いています。また、ご病気でない方でも、病気のとらえ方、医療との付き合い方、代替療法の取り入れ方……など知っていれば、役に立つ情報もお伝えします

腸マッサージ

私がリウマチになったことを当院の患者さんにお知らせしたところ、Tさんという患者さんが、腸マッサージについて教えてくださいました。

この方法は、皆川容子さんという方が日本に紹介し、普及されているマッサージ方法です。この方のことを本で読み、すごい方がいるのだな、と思いました。簡単ですが、まずはご紹介します。

難病を治した皆川容子さん

皆川さんは、50代に「全身性エリテマトーデス」と診断されました。この病気は自己免疫疾患の膠原病のひとつです。

自己免疫疾患ではステロイド(副腎皮質ホルモン)を治療として使うことが多いのですが、皆川さんも多量に服用されたそうです。

薬の効果で全身の激痛、高熱がおさまり、なんとありがたいことだろう、と思われたそうです。

そして、治療を始めて4年後にはステロイドによる副作用で「大腿骨頭壊死」となり、歩くことができなくなりました。整形では、手術を勧めらたものの、内科医が手術による合併症のリスクを指摘し、結局手術はしないことになりました。

内科では、全身性エリテマトーデスは原因が分からないから治療方法もない、ステロイドは一生飲まないといけないと言われ、整形では、壊死した大腿骨頭は再生はしない、手術しないと一生歩けない、と言われていたそうです。

そんなとき、「食べ物を変えて、腸をもむ」という治療方法があることを教えてもらいました。その方法は、動物性食品と甘いものは一切食べない、という方法でした。皆川さんはお肉、お寿司、甘いものが大好きで、それをやめるなんて、考えられなかったそうです。それをやめて、腸をもんでも治るという保障もありません。

最初は絶対できないと思っていたそうですが、度々勧められ、ようやくその方法をやってみようと決心されました。

そこで実践された食事法は、生採食でした。主食は7種類の穀物を粉にしたもの、それに生野菜、野菜ジュース、お茶、お水。野菜には火は通さず食べるのが特徴です。

この食事法を続け、腸マッサージを受け、10日経過する頃には体に変化が起きてきました。

結局、この方法を継続することでステロイドをやめることができ、検査結果からも、自覚症状的にも、全身性エリテマトーデスが消え、さらに大腿骨頭が再生してきたのです。手術しないと歩けないとい言われていたのに、歩けるようなったのです。

現代の医学では考えられないことです。

皆川さんがされたのは、生採食と腸マッサージのみ。でも一般的な食事から、生採食にするには最初はとても大変だったと思います。実行できたのは、ご本人の病気を治したいという気持ちが強かったからだと思います。

健康を取り戻した皆川さんはその後、生採食と腸マッサージの普及のため、NPO法人を設立されました。ご興味のある方は、HPをご覧ください。

*場所にもよりますが、出張での腸マッサージもされています。ご興味のある方は、直接お電話してください。

NPO法人ネイティブヘルス

食事療法の取り入れ方

私もリウマチになった当初は玄米採食をしていました。皆川さんのされた生採食とはやや違い、玄米、野菜には火を通していました。

両方に共通しているのは、動物性タンパク、甘いものを取らないということです。

そのため、これらの食事方法を徹底すると、体重が落ちてきます。もともと体重に余裕がある場合は、ダイエットにもなり一石二鳥だと思いますが、体重が元々少ない人の場合は、リスクが伴います。

このため、このような食事療法を徹底する場合、指導する人が必要だと私は感じました。

皆川さんは、台湾に先生がいて指導して頂いていたそうです。

今は、前にもお伝えしたように、内科医の指導によりケトン体食を取り入れています。こちらは、動物性タンパクはOKですが、甘いものは厳禁。良質のオイルを決まった量とり、それを燃やしてエネルギーにします(リウマチからの贈り物 (16) 「ケトン体食」を始める)。

自分自身の変化からも、他の方の体験談からも、病気と食事は関係があると実感しています。自分に合った方法を見つけていくことが大事です。

病気を治すため、より健康になるために自分でまずできることとしては、甘いものを減らしていくことだと思います。体にいいものを食べていても、甘いものが減らせない、やめられないと、効果はあまり期待できません。

腸マッサージ

私は、「NPO法人ネイティブヘルス」に所属されている治療家の方から、腸マッサージを受けています。大腸と小腸をマッサージします。

腸マッサージによって腸の働きが促進されます。腸は免疫と関係の深い臓器です。腸の働きが良くなることは、免疫力アップにつながります。免役疾患などの難病に対して効果がある、ということはこのことを示しています。

小腸は大腸の内側(へその周辺)に位置しますが、これをマッサージしてもらうと、とても固くなっていることに驚きました。精神的な緊張があると、腸も緊張して固くなるそうです。

言われてみれば納得できます。それは消化器官は、自律神経に支配されているからです。リラックスしているときは副交感神経が優位になって働きを促進し、仕事など活動をしたり、緊張したりすると交感神経が優位になり、働きを抑制します。抑制されると、腸など消化器官は固くなるということです。

マッサージを受けていると、心地よくていつの間にか眠ってしまいます。次のようなことを実感しました。

・体全体が軽くなる

初めて受けたときに一番印象に残ったのは、起き上がった時、体全体が軽くなり、足の運びも軽くなっていることでした。腸が固いと、重心が下に引っ張られ体が知らず知らず重くなっていたのでしょう。私のような病気では、痛みを我慢しているので体全体がカチカチだったと思います。

・体全体が温かくなる

・関節の痛みが改善する

腸マッサージを受けてから、しぶとかった肩関節の痛みがなくなり、動作がしやすくなりました。

・肩こりや腰痛などの症状が楽になる

・便の量が増える

私は便通はとてもいい方ですが、さらによくなり、便の量が増えました。それだけ、循環がよくなっているのだと思います。

・眠りが深くなる

甲田光雄先生が始められた玄米採食でも、宿便を出して腸をきれいにする大切さを強調されていました。病気を治すには、自然治癒力を高めること、そのためには腸の働きを良くすることは欠かせないことなのだと思います。

皆川さんの腸マッサージに出会えたのも、リウマチになったおかげです。Tさん、情報ありがとうございます。これもリウマチからの贈り物のひとつです。

いつも、最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

おくむら整体院  奥村多恵子

●参考文献

・「採食整腸の奇跡 便秘・肥満をなくせば難病も退散」 皆川容子(著) 松田育三(監修) 新風書房

・「あした葉のように 消えた膠原病・再生した骨頭」 皆川容子