リウマチからの贈り物(38) ケトン体食とコレステロール値

このブログは、関節リウマチのような「治らない」とされている病気の方々に参考になることがあればと、書いています。また、ご病気でない方でも、病気のとらえ方、医療との付き合い方、代替療法の取り入れ方……など知っていれば、役に立つ情報もお伝えします

ケトン体食とコレステロール値

私は主治医のD先生(4カ所目にであったクリニックの先生)から、ケトン体食を勧められ、昨年2020年の7月末からこの食事に変えました。

ケトン体食は、タンパク質、脂質、野菜の順でしっかりと量も取る、食事方法です。糖質を制限して、十分なタンパク質と良質の脂質(オリーブオイル、ココナッツオイル、MCTオイル、バター、亜麻仁油、えごま油など)を摂ります。

パンやご飯類、果物…… などを食べると、糖質をエネルギーとして利用してしまいます。炭水化物は糖に変わるからです。

そうではなく、良質の脂質をエネルギーとして利用する食事に変えていきます。それによって体力がつき、肥満が解消し、慢性の炎症などを抑えるという効果が期待できます。

この食事に変えてから私は疲れにくく、体調が良くなってきている実感があります。また、リウマチの症状改善にもいい影響を及ぼしていると思います。

詳細は、

「リウマチからの贈り物(16) 『ケトン体食』を始める」

「リウマチからの贈り物(21) ケトン体食の献立例」

をご覧ください。

この食事を始める以前は、脂質=コレステロール値を上げるもの、として遠ざけていました。テフロンのフライパンでオイルはできるだけ少量にしたり。

なので、ケトン体食が効果があると実感しながらも、コレステロール値のことが気になり始めました。

初診時(まだケトン体食をしていないとき)とケトン体食開始から5カ月後の検査結果は次のようになります。

初診時              ⇒  ケトン体食開始から5カ月後

総コレステロール     :159 ⇒  251(正常値150~219)    

HDL(善玉)コレステロール:61  ⇒   97(正常値40~80)

LDL(悪玉)コレステロール :98 ⇒  154 (正常値70~139)

結果としては、ケトン体食を始める前は「正常値内」。ケトン体食開始5カ月後には正常値を上回っています。

心配になり、主治医のD先生に伺ってみました。

D先生:「結果から言うと、あなたのコレステロール値で全く問題ありません。日本は、総コレステロール値だけで動脈硬化のリスクを判断します。本来は、他のいろいろな要因との関係で判断しないといけないのに。ただ、これは、学会と製薬会社の関係があるため、たやすくは変わりません。コレステロール値が高いというだけで、ずっと薬を飲まないといけないくなりますね

私:「総コレステロール値の上限を守ることはとても大事なのだと思っていました。でもその上限を廃止した(*)と聞きましたが、それはどうしてでしょうか?」

*厚生労働省は2015年、日本人の食事摂取基準からコレステロールの上限値を撤廃しました。

D医師:「コレステロール値が高いと、動脈硬化のリスクが高まると日本の医師たちは皆言います。でもこの値だけに頼って判断していることを欧米諸国からは批判されているのです。そのため、数年前、総コレステロール値の基準値を廃止して、HDLコレステロールとLDLコレステロールの値で判断しようとしています。ただこれは、批判をかわすためにしているだけで、根本は前と変わりません。コレステロール値だけではなく、糖尿病があるか、喫煙しているか…… など、そういう要素も含めないと、本当のリスクは評価できないんですよ。あなたの心筋梗塞のリスクを評価してみましょう」

そして、D先生はディスプレイに「フラミンガムリスクスコア」を表示させました。

D先生:「フラミンガムリスクスコア」は、マサチューセッツ州フラミンガムという地域で数十年間、調査、研究して作ったものです。年齢、性別、総コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、収縮期血圧、糖尿病の有無、喫煙の有無からリスクを計算します。

このサイトで、私の属性、数値を入れて評価してもらうと、その結果は

今後10年以内に心筋梗塞などの冠動脈疾患を起こす確率はおよそ、3%

と出ました。

D先生:「3%というと、冠動脈疾患を起こす確率はほぼないと思っていい値です。なので、今のままの食事を続けていて問題ありません」

私:「分かりました。どこか別の医療機関で健康診断を受けたら、私は高コレステロール血症と診断されることになりますが、それは気にしなくていいということですね」

D先生:「そうです。あと…… 人間ドッグなどでかなり高額な検診がありますがその中には睡眠検査は入っていません。これではその後の健康上のリスクは判断できません。睡眠の質がいいか悪いかはリスクを考える上でとても重要ですから」

D先生と話すと、とても勉強になります。

検査結果では、どうしても正常値内に数値が入ることにこだわってしまいます。今回、D先生に伺って、それだけを目安にしてはいけないことが分かりました。

「フラミンガムリスクスコア」ご興味のある方は、Nasu Medical Clinicの以下のサイトをご覧ください。

http://www.drnasu.com/health/framingham_male.htm

いつも、最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

おくむら整体院 奥村多恵子