「骨盤臓器脱」の方への施術

「骨盤臓器脱」は下図のように骨盤内臓器(膀胱、子宮、直腸など)が膣や肛門からはみ出してくる疾患です。

骨盤内臓器は靭帯や骨盤底筋によって支えられています。
これらが、加齢、出産時や排便時の強いいきみ、繰り返し重い荷物持ち上げる・・・などにより、傷ついたり、緩んだりして骨盤内の臓器を支え切れなくなったとき、「骨盤臓器脱」を引き起こします。
症状としては、わずかな刺激で尿もれがする、排便時肛門から直腸がはみだしてくる、股間になにか挟まった感じがする・・・・などがあります。
この疾患で悩んでいる方は非常に多いものの、羞恥心などから我慢している方も多いと言われています。
「骨盤臓器脱」では、そうなるような身体の状態に問題があるのであって、はみ出してくる臓器が悪いわけではありません。そのため身体そのものを改善していく必要があります。
重症度にもよりますが、当院の施術とセルフエクササイズで、「骨盤臓器脱」の諸症状が改善するケースは珍しくありません。

●治療法

・リング治療:ペッサリーという器具を腟に入れ臓器脱を防ぎます。3カ月に1回位の定期検診が必要です。

・手術:メッシュなどを入れて臓器脱を防ぎます。
・骨盤底筋をサポートする下着:臓器支えている骨盤底筋を引き上げる、ガードルのような下着を着用します。
・骨盤底筋トレーニング:骨盤底筋をトレーニングによって支持性をあげようとするものです。

●根本的な治療とは?

 「リング治療」、「手術」、「骨盤底筋をサポートする下着」に共通していることは、臓器が下垂して、はみ出してこないように人工的な「支え」を作るという考え方です。
病院やクリニックのHPで「手術療法は根本的治療」と書かれているのを見かけます。果たしてそうでしょうか?手術によって下垂した臓器がはみ出さないようにすることはできますが、傷ついたり、緩んだりした骨盤底筋はそのままです。重症度によっては、「リング治療」、「手術」を選択せざるをえない場合もあると思います。そのような場合「骨盤臓器脱」を引き起こすような身体は変わっていないため、また同様の状況になる可能性があります。
つまり根本的治療とは「骨盤臓器脱」を引き起こさないように、身体そのものを改善することだといえるのです。

●当院の施術

前述したように「骨盤臓器脱」は、強い圧力により骨盤底筋が緩んだり、傷ついたりすることで起こります。加齢によっても起こるのは、生活の中で知らず知らず腹圧をかけ続けてきたからだと思われます。
当院では、身体全体を整えると同時に、以下の骨盤底筋トレーニングを行い、ご自宅でもセルフエクササイズとしてもやって頂きます。また腹圧をかけないような動作もお伝えしています。

・骨盤底筋トレーニング
ガスケアプローチ(*)に基づいたトレーニング方法です。骨盤底筋と、それに関わりの深い腹横筋(骨盤内臓器を支える筋)を呼吸を使ってトレーニングします。生活の中でトレーニングする方法も、お伝えしています。これにより、トレーニング時間をとりにくいという忙しい方でもの継続できます。
*:フランスのド・ガスケ医師が提唱。姿勢、呼吸、ペリネ(≒骨盤底筋)の関係性に基づいたアプローチ

・腹圧をかけない動作方法
排尿便の姿勢、いきまない排便方法、座位姿勢の取り方・・・・など生活の中で無意識に腹圧をかけないような動作方法をお伝えしています。骨盤底筋トレーニングをしても、日常生活で腹圧をかけ続けてしまえば、効果は望みにくくなります。
 もう歳だから、子どもを産んでいるからこれ以上治らない・・・などと諦めている方、是非ご相談ください。

★お知らせ

祝日開院
・2月11日(火 建国記念日)
・2月24日(月 振替休日)
:いずれも9時半~17時まで開院します
臨時休院
・2月8日(土):臨時休院します
ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。